アポロ計画捏造説について⑬ビル・ケイシングの陰謀論

アポロ計画捏造説について⑫ ではアポロ捏造派がその根拠としているものを上げてみました。

次に最初にアポロ陰謀論を唱えたビル・ケイシング(Bill Kaysing)について調べたのでまとめようと思います。


ビル・ケイシングは何をしたか?

  • 1956年から1963年までロケットダイン社(のちのアポロロケットエンジンを作った)に技術広報責任者(テクニカルライター)として勤務しており、在職中に知り得た情報から月面到着するのは不可能であることを把握していた。
  • 1969年から1972年にかけてアポロ月面着陸が行われた後、1976年に "We Never Went to the Moon" を出版し、月面着陸が偽装(Hoax)であると主張した。
  • 2001年にはFOXのドキュメンタリー"Did We Land on the Moon?"に参加し、改訂理論を放映した。反響は大きく、NASAはWebで反論を投稿するに至った。
  • 月面着陸陰謀論(Moon Hoax)の父と呼ばれている。


疑惑について

著書 "We Never Went to the Moon" の中で次の疑惑を指摘した。
  • NASAは人を月に送り込む技術的な専門知識を持っていなかった。
  • 月面写真に星が存在しない。
  • 月で撮影された写真に原因不明の光の異常がある。
  • 月着陸船の下に爆発跡のクレータがない。ロケットエンジンは着陸の降下で大きく塵が舞い上がるはずである。
  • トーマス・ロナルド・バロン(ノースアメリカン航空の品質管理および安全検査担当)の謎の死。
  • オランダの論文で月面着陸の信ぴょう性に疑問をいだいていた。


動機について

"Did We Land on the Moon?"では次のように述べている。
  • 1950年代後半にロケットダイン社が行った調査によれば、1969年までに月旅行が成功できる確率はたったの0.0017%だった。これは事実上不可能であることを示していた。
  • 1961年5月25日、ジョン・F・ケネディ大統領が「この10年で月に人を着陸し地球に無事帰還させる」という演説をした。
  • そして10年の期限が経つとき、ソ連との宇宙開発競争に勝つために、着陸の偽装をせざるを得ない状況となった。不評なベトナム戦争から注意をそらし、アメリカ国家の威信を高めるために行われたと考える陰謀論家もいる。

補足
Bill Kaysing Tribute Websiteでは、ヴァン・アレン帯の放射能が月に行けれない最大の要因と述べている。
  • 1969年周辺のヴァン・アレン帯の放射線は最悪であった。
  • ロシアの動物実験でヴァン・アレン帯を生きて通過することが不可能であることが判明した。(注:ただし、アポロ11号の前年(1968年)にゾンド5号が動物実験をしていてその結果によれば無事帰還したことになっている。)
  • いつ発言したものかは分からない。


どのようにして偽装したか

スクリプトはアーサー・C・クラークにより作成され、監督はスタンリー・キューブリックが行った。
撮影はネバダ州のエリア51で行われた。

宇宙飛行士の行動はそれぞれの理論で異なり、次のようになっている。

"We Never Went to the Moon"(オリジナル論)のストーリー
  • サターンVロケットの発射前に宇宙飛行士はロケットから降りる。
  • 発射されたロケットは偽の信号を送った後、北極海の南に投棄される。
  • 宇宙飛行士はラスベガスで過ごし、セットの中で偽装着陸とムーンウォークを演じる。
  • 帰還船(アポロコマンドモジュール)は Lockheed C-5 Galaxy 輸送機から落とされる。
  • 宇宙飛行士はハワイに飛び、アポロコマンドモジュールに乗り込んで帰還を演じる。

"Did We Land on the Moon?"(改定論)のストーリー
  • 宇宙飛行士はサターンVロケットで打ち上げた後、月には行かず地球を周回していた。


どのようにして秘密を守ったのか

  • ビル・ケイシングや他の陰謀論家は、キープレーヤーの一握りだけが実際に詐欺を知っていて、宇宙コントロールセンターの大半の人々はだまされていたと主張している。ごく一部に限ったのは内部告発を恐れたからである。
  • 1967年にアポロ1号で3名の宇宙飛行士が死亡する事故があった。打ち上げテスト中のコックピットの火災だった。調査はコマンドモジュールの状態が悪かったとの結論で、安全性の修正のためにアポロ計画はいったん保留になった。この事故は彼らが秘密をばらすと脅したために殺されたのだとケイシングは主張した。(注:調査では多くの欠陥が見つかり設計の完全なオーバーホールが必要とされました。NASAの多くの人は十年期限の実現は不可能と考えました。)
  • 映像も偽装を守るために破壊されたのではないか?2006年にアポロ11号の月面着陸映像のオリジナルテープが紛失したことがニュースになった。2009年7月の月面着陸40th記念日の前日に、NASAは磁気テープを誤って再利用してしまい消去したことを公表した。(注:ビル・ケイシングは2005年に亡くなっているので彼の主張ではないです。)


彼の理論では宇宙飛行士は「地球を周回」しており、誰も月に向かっていないようです。
つまりアポロ8号や10号も月には向かわず偽装していたことになりますね。

陰謀論がずいぶん分かってきました。
「疑惑について」のところが分かりにくかったので、次はここを掘り下げてみようと思います。

アポロ計画捏造説について⑭ につづく

参考URL
https://en.wikipedia.org/wiki/Bill_Kaysing
http://truconspiracy.blogspot.jp/
http://www.billkaysing.com/hoaxtheory.php

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